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京町家のトイレの場所のこだわり

家の中のメインストリート

京都の町家はうなぎの寝床と呼ばれるように、間口からは想像がつかないほどかなりの 奥行きがあります。

 

一般的な町家は一番奥にトイレがあります。

 

母屋と離れた一番奥の突き当たり、いわゆる「ドンツキ」といわれる場所です。

 

昔はトイレはたいていが汲み取り式でした。

 

水洗いになる前はバキュームカーと呼ばれる車で、そしてもっと前は肥桶で汲みに来てもらっていました。

 

市内の町家には裏口というものがありません。隣との隙間もなく、裏の家との間隙もありません。

 

そのため家の中を通って汲みにいかねばならず、ヘタをすると汚物がこぼれてしまう場合もありました。

 

しかし、町家のなかに通り庭と呼ばれる屋根付きの路地があります。いわば家の中のメインストリートです。

 

この通り庭は三和土(たたき)となっており、万が一の場合でも水で流せるようになっているのです。

 

トイレとは匂うものです。

 

そのため、トイレの場所をドンツキに設置することで裏の家も自分の家もトイレの位置を近くして臭いものはお互い我慢しましょう、というわけなのです。

 

そして匂いが分散しやすいように、トイレのそばは少し広い空間をとり石や灯籠、苔をふいたりして裏庭をあしらいます。汚いところもきれいにしようという美意識が表れているのです。